春の若葉が、夏にはまぶしい緑を繁らせ、秋の紅葉はどんな画家にも真似のできない美しい一幅の絵を描き出す ―― そんな郡上のすばらしい自然に抱かれて、人は、木々の声や風を聞くのかもしれません。そして、冬枯れて木立に落ちる木々の枝。その朽ちかけた枝さえも、自然のさまざまな表情を宿しているのです。 私のイマジネーションは、そこから果てしなく広がっていきます ― 冬のはじめに北風に折られた小枝たちは雪の下に眠ります。そして、春一番の南風にかき集められた小枝たちは、陽炎の立つ頃になると目を覚まします。それからまた朝露をたっぷりとあびると、今度は木ぼっくりとなって新しい命が誕生するのです。 木ぼっくりは、自然の中に棲む小さな人々。彼らは自然の恵みを受けながら、自然と調和して、おだやかで楽しい日々を送っています。それはかつて人間がそうであったように…。 さぁ、私と一緒に木ぼっくりの世界をそっとのぞいてみましょうか。
・ 水が清らかであること…谷川に近づいたらそっと耳をすませてごらん?水の音は、もしかしたら、木ぼっくりの演奏会の音かも知れないよ! ・ 美しい自然があること…野山に近づいたら静かに風の音をきいてごらん?風にゆれて木の葉がすれ合うサラサラという音に混じって、もしかしたら木ぼっくりの話し声が聞こえるかも知れないよ。 ・ 取り巻く人間が純粋であること…森に入ったらじっと耳をすませ目を閉じてごらん?そこに木ぼっくりの世界を感じることができるんだよ。
木ぼっくりたちは、大きな木の上に家を建てます。1本の木にいくつかの家族が集まって共同生活をしていますが、これは水道を通したり作物をつくったりするのに、その方が都合がいいからです。 川から引いてきた水は、木のまわりを高い方から低い方へと流れ、それぞれの場所で利用された後、最後は水車の杵つきの動力として使われます。実に合理的な設計です。 ごらんのとおり、木ぼっくりの住居では、何度も階段を昇り降りしなくてはなりません。ですから、彼らはみんな、とても脚が丈夫なのです。 木ぼっくりは、木の種類によっていろいろ性格が違います。 ・ 松の木からできた木ぼっくりはマツヤニの影響からかねちっこい。 ・ 竹からできた木ぼっくりは、バネがあってすばしっこい。 ・ つるでできた木ぼっくりは、人にからむくせがある。 ・ イバラの木でできた木ぼっくりは、性格にトゲがある。 ※まだ他に(ないしょなのですが)コケぼっくりというのがいます。彼らは、石にくっついているので、見つけるのはなかなか大変です。どうしても知りたい人はこちらへ・・・ 木ぼっくりは病気になると、人間でいう「温泉」のような「土の中」にからだを休めます。こうしてしばらくじっとして休んでいると、だんだん根が生えてきます。するとその根が土の養分を吸い、やがてからだは癒されて病気は治ってしまうらしいです。